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かすみのスピリチュアル・ジャーニー

かすみのスピリチュアル・ジャーニー

23,未来の自分とつながる(1)

あなたはもっと幸せになっていい

つながりを取り戻す


23.未来の自分とつながる



 先に述べたように、うつになると、未来の自分というものが
想像できなくなってしまう。

 「このまま一生薬を飲みながら、苦しい人生を送るのか」
「疲れてくたくたなのに、まだ、生き続けなければいけないのか」
と考えて、目の前が真っ暗になってしまう。

 道に迷ったときのことを考えてみると、わかりやすいかもしれない。

 山の中で道に迷ってしまい、地図も持っていないし、
誰も人も歩いていない、だんだん暗くなってきた。

 道が別れているけど、どっちにいっていいか分からない、
今歩いている道さえ、正しいのか分からない、このまま進み続けても
逆方向へ向かっているのじゃないか、どんどん不安が募る。

 何時間も歩き続けているので、足も痛く、体もくたくたである。

 あ、つまずいて転んで、足をすりむいてしまった。

 でも、立ち止まるわけには行かない、足を引きずりながら、歩き続ける。

 もし、そんな状態に自分が置かれたら・・。

 
 それが、うつ状態に陥っている人の状態のような気がする。

 人は、歩く道筋が分かっていて、もしくは、道筋が分かっていなくても、
かならず、いつかはゴールにたどり着けることが分かっていれば、
歩き続けられるものなのである。

 もし先を歩いている人の後ろ姿を見つけられれば、どれだけ、
気持ちが楽になるだろうか。

 うつは治らないかもしれないけど、うまく付き合っていけば、
幸せになれるということを信じることができたのは、
実際に回復した人の話を聞いたときだった。



 アメリカ人で出会った、その人は、白髪で優しい風貌の男性だった。

 老紳士といった感じのその人は、自分が生きる苦しさから
アルコール依存症になって、仕事も家族も失い、とうとうホームレスに
なってしまったのだという。

 しかし、今では、こうして回復して、六十二歳であるが、
里親となって、四歳の女の子を育てているというのである。

 娘がかわいくて仕方ないと話すその男性の表情は、
生きる喜びにあふれていた。

 何歳になっても、人はやり直せるのだ、生まれ変われるのだと、
胸を打たれた。 

 私も、きっと、よくなる、と思った瞬間であった。



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